メンデルスゾーン「エリヤ」を聴く(フロイデ・コーア・ヨコハマ10周年記念) [音楽]
歌のつばさのnaoka19です。
2月28日、みなとみらいホールでメンデルスゾーンのオラトリオ
「エリヤ」を聴きました。初めてです、期待は大きい。
皆さんは、メンデルスゾーンと聞くとどんなイメージを持ちますか?
「優美」「貴公子?」「金持ちの坊ちゃん?」
私も心の隅にそういうイメージを持っていました。
でも、「エリヤ」は全然違う曲でした。
時に激情を秘め、壮大な物語性のある、ドラマチックな曲でした。
オラトリオはオペラと同じ音楽形式を持ちます。
振り付けがあれば、まさにオペラです。ただ宗教音楽であること。
歌詞はドイツ語、初めて聴く曲なので、ハードルが高いかな、
そう思って聴きましたが、杞憂でした。
ステージの左右にテロップが流れ、リアルタイムで翻訳されます。
外国映画の字幕方式ですが、これは有り難い。
数十年前にドイツ語を学びましたが、わかるのは読み方だけ、
全く初心者同然です。そういう点では、日本人にとって、
クラシック音楽はハードルが高いものですね。
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さて、13時30分「エリヤ」開演です。
伝道師エリヤがイスラエルに現れ、奇跡を起こす。
途中の困難を乗り越え、最後は神に召されるまで。
バール教徒との激しい戦い、苦難、布教活動が続く、
曲はエリヤが天に召され、救世主が表れる啓示で終わります。
全曲42曲。約2時間10分。エネルギーがいりますね。
エリヤ役はバリトン歌手成田博之さん。大役です。
これに他のパートのソリスト、合唱が絡みます。
特にソプラノの役どころに興味があります、
配役は未亡人、天使。ソリストは山田英津子さん、
みなとみらいホールはホームグラウンドです、期待がかかります。
私の所属する、「みなとみらい昼どき合唱団」の指導者でもあり、
期待を持って聴きました。
体全体を使ったパワフルな歌唱、広いホールに響き渡る透明な声。
この曲への思い入れが良く伝わってきます。
息絶えた子供を思う未亡人役では、思わずまぶたが熱くなる場面も。
アルト、メゾソプラとの重唱、エリヤ役のバリトンとの掛け合い、
ブラボー!、素晴らしい!
もちろん、ソリスト、100人の大合唱団、
皆、活き活きと歌って素晴らしかった。
最後まで、息切れすることなく、歌い切りました。
ソリスト、合唱団、オーケストラ、当然指揮者、
皆さん大変だったと思います。本当にお疲れ様でした。
演奏時間、実質2時間超えでも、飽きませんでした。
感動と充実感に包まれて、ホールを後にしました。
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オラトリオは今回初めて聴きました。
オペラ(マダムバタフライ)は昨年聴きましたが、
一般の歌曲、宗教曲と違い、物語性が断然違います。
いずれにしても、事前知識がなければ、
聴いても理解できず詰まらないものになってしまいますね。
まして、全42曲、演奏時間2時間10分の大曲、
曲の理解が必要です。
ネットであらすじを調べてみました。
第1部では、
イスラエルにバアルの偶像信仰が広まり、神エホバの怒りを招く。
エリヤに神の言葉が降臨、イスラエルの地から雨が途絶えてしまう。
(NO1、民衆合唱、”主よ救いたまえ”)
未亡人の息子を救うなどエピソードが描かれます(NO7-9)
布教活動というより、偶像信仰との激しい闘いとの印象が強い。
ユダヤ教の布教はかなり困難を極めたのだと思います。(NO10-16)
エリヤがバアルの預言者たちとの対決に打ち勝ち、雨を降らせる。
(NO20,民衆合唱、”神に感謝せよ”)
第2部では、
バアルの預言者を滅ぼしたため、イスラエルの王アハブに命を狙われる。
天使の導きでイスラエルから逃れます。
(NO21-33)
そして、再び、神の啓示により王を倒し主の国にします。
(NO34-37)
エリヤは後継者エリシャの前で、火の馬車により天に召し上げられる。
(NO38,合唱、”エリヤは炎のように現れた”)
終末部では救世主(キリスト)の出現が預言されて終わります。
(NO41合唱、”北方で誰か一人が目覚める”)。
(NO42,合唱、”それからあなた方の光が”)
物語の流れ自体は聖書を題材としていますが、
必ずしも歌詞の全部が聖書からというわけではないようです。
聖書にはないオリジナルな言葉も織り込まれているのです。
(同じオラトリオ、ヘンデルのメサイアなどと異なります)
始めのバリトン独唱の歌詞は聖書引用、
次の第1曲の民衆による合唱「主よ救いたまえ」の
”あなたは私達を滅すつもりですか”はオリジナルというように,,,
メンデルスゾーンは並みの芸術家ではないということですね。
初めてのため、演奏のテクニカルな部分については
コメントは出来ませんが、
何回か聴き比べて、コメント出来るようになりたいものです。
ただ、今回は後部座席で聴きましたが、みなとみらいホールのような
響きの良いホールではやはり後部席は聞き取りにくい難点があり、
中間より前で聴くべきと思いました。
いつも山田先生に歌唱指導を受ける際必ず言われること、
「みなとみらいホールみたいな響きの良いホールでは、
発音に気を付けよ。音が拡散して、後部座席には届かない」
合唱団員としては、何を歌っているかわからなくならないように
発音に細心の注意をして歌えということです。
改めて確認しました。
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